テントむしの普段使いは無理がある?魅力と維持費などを正直に解説。

テントむしの普段使いで抑えるべき点

「テントむし」を検討する際、普段使いができるのか不安という声も多いのが実情。

テントむしはそのユニークな見た目とキャンピングカーとしての機能から、多くの人を魅了しています。

しかし、実際に日常の足として使うことを考えると、そのメリットやデメリットを正確に知っておきたいところです。

購入を検討する際には、テントむしが持つ本来のスペックや多彩な内装の選択肢を理解することが欠かせません。

また、新車価格や中古価格の相場、驚くほど長い納期の実情についても把握しておく必要があります。

さらに、維持していく上での燃費や、中古の4WDモデルを選ぶ際の注意点、そして多くの人が気になるトイレの事情まで、現実的な課題も少なくありません。

まずはレンタルで試したいと考える方のためにレンタル料金の相場や、トレーラータイプのテントむし コロ(CORO)という選択肢にも触れていきます。

この記事で、テントむしとの暮らしを具体的にイメージし、後悔のない選択をするための一助となれば幸いです。

この記事を読むことで、以下の点が明確になります。

  • テントむしを普段使いする上での具体的な利点と注意点
  • 新車・中古それぞれの価格相場と最新の納期情報
  • 燃費や税金など、リアルな年間維持費の目安
  • レンタルやトレーラー版といった多様な選択肢の存在
目次

テントむしを普段使いする際の現実と選択肢

豊富なテントむしの内装レイアウト紹介

CAMPING DRIVERS イメージ

テントむしが長年にわたり多くのユーザーから絶大な支持を得ている核心的な理由の一つに、利用者の多様なライフスタイルや価値観に寄り添う、巧みに設計された内装レイアウトの存在が挙げられます。

単一のレイアウトを押し付けるのではなく、使う人の目的(ソロキャンプ、夫婦旅、ファミリーユースなど)に合わせて最適な「居住空間」を選択できるのです。

これはまるで、限られた敷地の中で理想の暮らしを追求するタイニーハウス(小さな家)の間取りを選ぶプロセスにも似ており、購入を検討する段階からオーナーとなる人の創造力を掻き立てます。

現行モデルでは、それぞれに明確な個性とコンセプトを持つ、主に3つのタイプがラインナップの中心を飾っています。

Sタイプ:収納力を最大限に高めたソロツアラー

「Sタイプ」は、セカンドシート部分が壁に沿って設置された横向きのベンチシートになっているのが最大の特徴です。

このレイアウトがもたらす最大の恩恵は、ベンチシートの下の空間がまるごと広大な収納庫になること。

キャンプ道具一式、長尺物の釣り竿、精密な撮影機材など、趣味に没頭するための「かさばる相棒」たちを気兼ねなく積み込めます。

1人または2人での利用を主眼に置き、居住空間のシンプルさと圧倒的な積載能力を最優先する、まさに「移動基地」としての使い方を追求するユーザーに最適なモデルと言えるでしょう。

Fタイプ:家族で囲む食卓が魅力のファミリーモデル

「Fタイプ」には、ワンタッチでシートの向きを前後方向に転換できる、イタリアの名門・FASP社製の高機能シートが採用されています。

これにより、走行中は進行方向を向いた安全な前向き乗車(3点式シートベルト装備)を実現し、目的地に到着すればシートをくるりと後ろ向きに反転させることで、温かい食卓を彷彿とさせる対面式のダイネット空間が生まれます。

小さなお子様がいる3〜4人のファミリーが、移動の道中も、停車してからの団らんの時間も、快適かつ楽しく過ごせるよう工夫が凝らされた、まさに軽キャブコンにおける王道のレイアウトです。

F1タイプ:機能性と快適性を両立した新世代レイアウト

近年、ユーザーの声を反映して新たにラインナップに加わったのが、FタイプとSタイプの「いいとこ取り」を実現した「F1タイプ」です。

セカンドシートに1人掛けのFASPシートを採用し、その隣にはSタイプのような横向きのソファスペースを確保。

これにより、乗車定員は3名となりますが、「前向き乗車」という安全性と、「横向きソファ下の収納力」という実用性、両方のメリットを享受できます。

さらに、補助マットの組み合わせ次第で、対面ダイネットや足を伸ばせる掘りごたつのようなお座敷スタイルなど、気分やシーンに合わせて多彩なくつろぎの空間を演出できるのが最大の魅力。

ソロでの贅沢な旅から、ビジネスでの移動オフィス、夫婦での二人旅まで、あらゆるニーズに柔軟に応える先進的なモデルです。

テントむしの詳しいスペックと基本情報

CAMPING DRIVERS イメージ

テントむしは、その愛らしいルックスやコンパクトなサイズ感からは想像が及ばないほど、長年の経験と技術に裏打ちされた堅牢な設計と実用的なスペックを備えています。

このキャンピングカーの基本的な仕様を深く理解することは、普段使いのイメージをより具体的で現実的なものにするための、不可欠な第一歩となります。

車両の土台となるベース車両には、商用車として過酷な環境で鍛え上げられた、信頼性と耐久性に定評のあるダイハツの「ハイゼットトラック」が採用されています。

そして、その荷台部分には、専門ビルダーであるバンショップミカミが誇る一体成型のFRP製シェルが架装されます。

この継ぎ目のない構造は、キャンピングカーで最も懸念される雨漏りのリスクを根本から排除し、内部に充填された断熱材と共に、夏は外の熱気を、冬は車内の暖気を逃がさない、優れた断熱性能を発揮します。

以下に、テントむしの主要なスペックをまとめました。

スクロールできます
カテゴリ項目スペック
共通寸法全長3,390mm
全幅1,470mm
全高1,980mm
ポップアップ時全高2,800mm
シェル室内長1,850mm
シェル室内幅1,370mm
シェル室内高1,290mm
ベース車両共通ベース車ダイハツ ハイゼット
駆動方式2WD / 4WD
トランスミッションCVT / 5MT
総排気量658cc
定員乗車定員3名~4名 (内装タイプによる)
就寝定員大人2名+子供2名 (最大4名)

特筆すべきは、どの内装タイプを選んでも標準で装備される、テントむしの象徴とも言える「ポップアップルーフ」です。

スプリングのアシスト機構により、女性一人でも比較的容易にルーフを持ち上げることができ、展開すれば室内高は最大で約2.1mに達します。

これにより、軽自動車とは思えないほどの開放的な空間が生まれ、車内での着替えなどもストレスなく行えます。

さらに、このルーフ部分には大人2人が横になれる広さのベッドスペース(約1830×1100mm)が確保されており、下段のダイネットを展開して作るベッドと合わせて、最大で4名の就寝を可能にしています。

より詳しいスペックについては→テントむしの購入で後悔しない!価格から維持費、口コミやスペックまで!をご確認ください。


テントむしの新車価格とオプション費用

CAMPING DRIVERS イメージ

テントむしの新車価格は、単なる「車両価格」というよりも、自分だけの「移動基地」を創り上げるための「基本パッケージ価格」と捉えるのが適切です。

公式サイトで公表されている2025年現在の車両本体価格(税込)は、最もシンプルな「Sタイプ」の2WD/CVT仕様で3,674,000円からとなっています。

しかし、これはあくまで素の状態であり、多くのオーナーは自身のキャンプスタイルや利用シーンに合わせて、多彩なオプションを組み込むことで、理想の一台を完成させます。

快適なキャンピングカーライフを送る上で、多くのユーザーが選択する主要なオプションには以下のようなものがあります。

  • 快適装備:
    夏の車中泊を快適にする「DC12Vクーラー」や、冬の厳しい寒さから解放してくれる「FFヒーター」は、今や定番とも言える人気オプションです。

    また、断熱性と遮光性に優れ、結露対策にもなる「アクリル二重窓」も、通年での利用を考えるなら検討したい装備です。
  • 電源強化パッケージ(通称:Eパッケージ):
    近年のモデルで特に注目されているのが、この電装強化システムです。

    屋根に設置された合計400Wのソーラーパネルと、大容量の100Ahリチウムイオンバッテリー2個がセットになっており、クーラーや電子レンジといった消費電力の大きな家電を気兼ねなく使用するための、いわば「車載の発電所」です。

    このパッケージを追加することで、外部電源のない場所でも数日間の自立した滞在が可能になります。
  • 外装・ユーティリティオプション:
    雨天時や日差しの強い日に便利な「サイドオーニング」、荷物の積載量を大幅に増やす「サイクルキャリア」や「カーゴBOX」、そして荷物の出し入れを劇的に容易にする後部の「超大型鍵付扉」など、使い方を大きく広げるアイテムも豊富に用意されています。

これらのオプションを組み合わせることで、最終的な乗り出し価格は400万円台後半になることが一般的であり、4WDモデルをベースにEパッケージやFFヒーターなどフル装備に近い仕様にすると、500万円を超えるケースも決して珍しくありません。

これは、単に車を購入するというよりも、自分のライフスタイルに合わせたオーダーメイドの空間を手に入れるための投資と言えるでしょう。

テントむしの中古価格の相場と選び方

CAMPING DRIVERS イメージ

テントむしは、キャンピングカー市場において非常に人気が高く、資産価値が落ちにくい、いわゆる「リセールバリューの高い車種」として広く認知されています。

新車の納車までに数年を要することもあり、すぐに乗り出せる中古車の需要は常に安定しています。

このため、一般的な軽自動車と比較すると、年式や走行距離の割に価格が高値で維持される傾向にあります。

中古車の価格は、年式、走行距離、装備、そして車両全体のコンディションによって大きく変動しますが、おおよその相場観は以下のようになります。

  • 初期モデル(2007年~2012年頃):
    価格帯は約160万円~250万円。ベース車がマツダのスクラムトラック(スズキ キャリイのOEM)で、トランスミッションが3速ATのモデルが主流です。

    走行距離が多い個体も見られますが、基本的なメンテナンスが施されていれば、まだまだ現役で活躍します。

    DIYでのカスタマイズベースとしても人気があります。
  • 中期~現行モデル(2013年以降):
    価格帯は約250万円~400万円以上。ベース車両がダイハツのハイゼットトラックに移行し、機能が近代化されたモデルです。

    特に、FFヒーターやソーラーパネル、サイドオーニングといった高価な人気オプションが装着されている車両は、年式が古くても高値で取引される傾向があります。

    近年では、クーラー搭載モデルや電装を強化した「Eパッケージ」仕様車も市場に出てきており、これらは400万円を超える価格が付くことも珍しくありません。

魅力的な中古テントむしを見つけた際に後悔しないためには、以下のポイントを重点的に確認することが極めて重要です。

→テントむしのリアルタイム中古価格はこちらから

ベース車両の状態確認

まずは土台となる軽トラックの状態です。

エンジンからの異音やオイル漏れ、ミッションの動作、エアコンの効き具合など、基本的な走行性能に関わる部分は入念にチェックしましょう。

特に、降雪地域で使用されていた車両は、融雪剤の影響で下回りに錆が発生している可能性が高いため、可能であればリフトアップして確認することをおすすめします。

架装部分(シェル)とポップアップルーフのチェック

シェル本体に大きな傷やひび割れがないか、窓枠やルーフの接合部から雨漏りした形跡(内装の壁紙のシミやカビ)がないかは最重要チェック項目です。

また、ポップアップルーフの昇降がスムーズに行えるか、テント生地に破れやカビ、雨漏りがないかを必ず確認し、ジッパーの開閉も試してみましょう。

電装系の動作確認

キャンピングカーの心臓部とも言える電装系は特に重要です。

サブバッテリーが正常に充電・放電できるかを確認します。サブバッテリーは消耗品であり、年数によっては寿命を迎え、交換に高額な費用がかかる可能性があることを念頭に置きましょう。

室内灯、シンクのポンプ、冷蔵庫などの電装品がすべて問題なく作動するかも一つ一つチェックが必要です。

テントむしの納期は?驚きの年待ち状況

CAMPING DRIVERS イメージ

テントむしの絶大な人気と価値を物語る、最も象徴的な事象がその「納期」です。

2025年9月現在、新車を正規ディーラーで注文した場合の納車待ちは、2年から3年というのが一般的な状況です。

この数字は、単に「時間がかかる」というレベルではなく、その一台を心待ちにするオーナーのライフプランにも影響を与えかねないほどの長さと言えるでしょう。

この驚異的な納期には、いくつかの理由が複合的に絡み合っています。

まず第一に、近年のアウトドアブームとライフスタイルの多様化により、軽キャンピングカー、特に「テントむし」のような個性的で完成度の高いモデルへの需要が爆発的に増加したこと。

そして第二に、テントむしが一般的な自動車のような大量生産品ではなく、熟練した職人の手によって一台ずつ丁寧に架装されるハンドメイドに近い製品であるため、生産能力に物理的な限界があることです。

これに世界的な部品供給の遅延なども加わり、現在の長い待機期間が常態化しています。

この長い待ち時間を回避し、一日でも早くテントむしを手に入れるための最も現実的な方法は、全国の販売店が在庫として保有している、あるいはメーカーへ先行発注している「即納車」を探すことです。

これらの車両は、人気のオプションがあらかじめ装備された魅力的な仕様であることが多いですが、当然ながら市場に出るとすぐに買い手がついてしまいます。

本気で探すのであれば、各販売店のウェブサイトやSNSをこまめにチェックし、情報が出たらすぐに行動に移せる準備をしておく俊敏さが求められます。

もう一つの選択肢は、状態の良い中古車にターゲットを切り替えることです。

いずれにせよ、この長い納期は、テントむしが多くの人々から「待ってでも手に入れたい」と思わせるほどの特別な価値を持つことの、何よりの証明と言えるのかもしれません。

テントむしの普段使いでの維持費と実用性

気になるテントむしの燃費はどのくらい?

CAMPING DRIVERS イメージ

キャンピングカーとしての機能を持ちながら、軽自動車の経済性を両立するテントむしですが、その燃費性能は購入を検討する上で非常に重要な判断材料となります。

その走りは、決して短距離走者のような瞬発力を持つものではありません。

むしろ、大きなバックパックを背負って長距離を旅するバックパッカーのように、急がず着実に目的地を目指す持久力型の旅人と表現するのがふさわしいでしょう。

重い荷物(シェル)を背負っている分、走り方には燃費を良くするためのコツが必要です。

実際のオーナーが公開している実測データや口コミを総合すると、燃費の目安は以下のようになります。

  • 夏タイヤ装着時(主に2WD走行): 平均 11~12km/L
  • 冬タイヤ装着時(主に2WD走行): 平均 8~9km/L

この数値を左右する要因は、主に3つに分けられます。

ベース車両のスペックと駆動方式

市場に多く流通している年式の古いモデルは、高速走行時にエンジン回転数が高くなりがちな3速ATが主流であり、燃費には不利な傾向があります。

一方で、現行のハイゼットトラックをベースとする新型モデルでは、より効率の良いCVTが採用されており、燃費性能は大きく改善されています。

また、必要な時だけ4WDに切り替えるパートタイム4WDは、常時四輪が駆動するフルタイム4WDに比べ、通常走行時の燃費が良いという利点があります。

走行環境と季節

ストップ&ゴーが頻繁に発生する都市部の走行は燃費が悪化しやすく、逆に信号が少なく一定速度で走り続けられる郊外の幹線道路では良好な燃費を記録します。

また、スタッドレスタイヤを装着する冬場は、タイヤの転がり抵抗が増えることや、雪道走行時の負荷により、燃費がおおよそ20~25%悪化する傾向があることは念頭に置くべきです。

運転の仕方

車重が1トン近くあるテントむしでは、運転の仕方も燃費に直結します。

急発進や急加速を避け、先の信号を予測して早めにアクセルをオフにするなど、車体に優しい丁寧な運転を心がけるだけで、燃費は着実に向上します。

特に高速道路では、80km/h前後で走行車線を巡航するのが、車への負担も少なく、結果的に最も燃費の良い走り方となります。

燃料タンク容量は約38Lですので、この実測値を参考にすると、夏場は約400km、冬場は300km弱を給油なしで走れる航続距離の目安となります。


テントむしの中古4WDモデルの注意点

CAMPING DRIVERS イメージ

特に北海道や東北をはじめとする降雪地帯での普段使いや、本格的なアウトドアアクティビティの拠点としてテントむしを考えている場合、4WD(四輪駆動)モデルの存在は非常に重要です。

雪道の安定した走行はもちろん、雨上がりのキャンプサイトや未舗装の林道など、行動範囲を格段に広げてくれる心強い味方となります。

しかし、その恩恵を受けるためには、中古で4WDモデルを選ぶ際に、特有のチェックポイントを理解しておく必要があります。

下回りの錆(サビ)は最重要チェック項目

4WDモデルが活躍するフィールドは、多くの場合、塩害や融雪剤が撒かれる厳しい環境です。

そのため、中古車選びでは、車両の下回りの錆の状態を自分の目で確認することが何よりも重要になります。

特に、車の骨格であるフレーム、サスペンションアーム、マフラーなどの金属部分に、表面的なものではなく、腐食が進んで剥がれ落ちるような深刻な錆がないかを重点的にチェックしてください。

軽度の錆は避けられない部分もありますが、腐食が激しい場合は、将来的に高額な修理費用が発生するリスクを抱えることになります。

4WDシステムの動作確認

テントむしに採用されているパートタイム4WDは、通常は燃費の良い2WD(後輪駆動)で走行し、必要な場面で運転席のスイッチを押すことで4WDに切り替える方式です。

内見や試乗の際には、必ずこの切り替えがスムーズに行えるかを確認しましょう。

スイッチを操作した際に、メーターパネル内の4WDインジケーターランプが正常に点灯・消灯するか、切り替え時に異音や大きなショックがないかなどをチェックします。

可能であれば、販売店の許可を得て安全な場所で実際に4WD状態での走行を試し、違和感がないかを確認できるとより安心です。

タイヤの状態も忘れずに

4WDの性能を最大限に引き出すには、適切なタイヤの装着が不可欠です。

装着されているタイヤが、車重を支える規格(LTタイヤ)を満たしているか、また、溝が十分にあり、ひび割れなどの劣化が進んでいないかを確認しましょう。

もしタイヤが消耗している場合は、交換費用も考慮に入れた上で、車両価格の交渉材料とすることも考えられます。

テントむしにトイレはない?解決策を紹介

CAMPING DRIVERS イメージ

軽キャンピングカーの世界に足を踏み入れる際、多くの人が最初に直面する疑問の一つが「トイレの問題」です。

結論から言うと、テントむしには車内に固定式のトイレやシャワールームは装備されていません。

これは欠陥ではなく、限られたスペースを最大限に居住空間として活用し、日々のメンテナンスの煩わしさをなくすための、意図的な設計思想の表れです。

スペースを犠牲にしてトイレを設置する代わりに、広々としたダイネットや収納を確保しているのです。

そして、この「トイレなし」というスタイルでも、多くのベテランオーナーは全く不便を感じることなく快適な旅を続けています。

その秘訣は、事前の準備と計画、いわば「トイレマネジメント」にあります。

プランA:外部施設の徹底活用

最も基本的で快適な解決策は、トイレが整備された外部施設を旅の拠点として活用することです。

今や日本全国の主要な道路沿いには、24時間利用可能な清潔なトイレを備えた「道の駅」が数多く存在します。

また、キャンピングカーでの宿泊が公認されている「RVパーク」や、ほとんどの「オートキャンプ場」にも、もちろんトイレは完備されています。

これらのインフラを旅の計画に組み込むことで、車内にトイレを持つ必要性はほとんどなくなります。

プランB:非常用・夜間用の車内トイレを準備

とはいえ、深夜の急な便意や、悪天候でどうしても車外に出たくない場面も想定されます。

そうした事態に備え、多くのオーナーが車内に常備しているのが「ポータブルトイレ」や「携帯トイレ」です。

尿を瞬時に固める凝固剤と強力な防臭袋がセットになった携帯トイレは、緊急用として非常にコンパクトで便利です。

もう少し本格的なものとして、実際に腰掛けて使えるポータブルトイレもあり、これらを活用すれば、いざという時も安心です。

プランC:事前の水分調整

特に就寝時のトイレの回数を減らすための、ちょっとした工夫も有効です。

寝る前の1〜2時間は、利尿作用のあるカフェインやアルコール、冷たい飲み物の摂取を控えるといった、ささやかな水分調整を心がけるだけで、夜中に車外へ出る回数を減らすことができます。

このように、いくつかの対策を組み合わせることで、トイレがないことは決して大きなデメリットではなくなります。

むしろ、そのおかげで得られる空間的なゆとりとメンテナンスフリーの気軽さは、テントむしでの旅をより自由で快適なものにしてくれるでしょう。

テントむしのレンタル料金と予約方法

CAMPING DRIVERS イメージ

テントむしという数百万元単位の大きな買い物で後悔しないために、最も賢明で確実な方法が「購入前のレンタル体験」です。

カタログスペックやネット上のレビューだけでは決して分からない、実際の走行感覚や居住空間の使い勝手、自分のライフスタイルとの相性を肌で感じることができます。

レンタルにかかる費用は、数日であれば数万円程度。これは単なる出費ではなく、将来の大きな満足のための、非常に費用対効果の高い「投資」と言えるでしょう。

レンタル料金の目安と変動要因

テントむしをレンタルできる専門業者は全国に存在しますが、その数は限られています。

料金は様々な要因で変動しますが、2025年現在の一般的な料金相場は以下の通りです。

期間料金目安(24時間)
平日(オフシーズン)12,000円 ~ 18,000円
土日祝・ハイシーズン18,000円 ~ 27,000円

料金は主に以下の要因で変動します。

  • シーズン: ゴールデンウィークやお盆、年末年始などのトップシーズンは最も高くなります。
  • 曜日: 平日に比べて土日祝は料金が高く設定されています。
  • オプション: 寝具や調理器具、キャンプ用品などのレンタルを追加すると、別途料金がかかります。

予約から返却までの基本的な流れ

予約は各レンタル店の公式ウェブサイトから行うのが一般的です。

特に連休などの人気シーズンは数ヶ月前から予約が埋まることも珍しくないため、早めの計画が肝心です。

  1. 業者選定・空き状況確認: レンタカー会社のサイトで、希望日の空き状況をカレンダーで確認します。
  2. オンライン予約: プランを選択し、必要な情報を入力して予約を完了させます。
  3. 貸渡日当日: 店舗にて、車両の装備や使い方について詳しい説明を受け、契約手続きを行います。
  4. 出発・返却: 旅を楽しんだ後、多くの場合は燃料を満タンにして、指定の時間までに車両を返却します。

レンタル期間中は、ぜひご自身の使い方をシミュレートしてみてください。

高速道路や狭い道を走り、ベッドを展開して実際に横になり、ポップアップルーフの昇降を試す。

こうしたリアルな体験こそが、購入後のミスマッチを防ぐ最良の羅針盤となります。

また、→【完全版】キャンピングカーの1週間レンタルの価格と相場ガイドでは、キャンピングカーのレンタルにかかる費用を詳しく解説しておりますので、検討される方は一度目を通されてください。

軽で牽けるテントむしスタイルのコロ(CORO)とは

CAMPING DRIVERS イメージ

「テントむしのデザインは大好きだけど、キャンピングカー専用車を所有するのはハードルが高い…」あるいは「今の愛車はそのままに、キャンプの時だけ居住空間を追加したい」。

そんなニーズに完璧に応える、非常にユニークで賢い選択肢が、テントむしスタイルのキャンピングトレーラー「コロ(CORO)」です。

これは、まるで愛車に連結してどこへでも連れて行ける「着脱可能な離れの個室」と表現できる存在です。

週末は秘密基地として連結して旅に出かけ、平日は自宅の駐車場に切り離しておき、愛車は普段通り通勤や買い物に使う。そんな自由で合理的なスタイルを実現します。

「コロ」が持つ大きなメリット

  • 経済性: ファーストカーを買い替える必要がなく、現在の愛車をそのままヘッド車(牽引車)として活用できます。
  • 利便性: キャンプ場などの目的地に到着したら、「コロ」を切り離してキャンプの拠点とすることができます。これにより、設営後もヘッド車だけで身軽に周辺の観光や温泉、買い出しに出かけることができ、一体型のキャンピングカーにはない圧倒的な機動力を発揮します。
  • 多様性: ポップアップルーフやキッチンを備え、最大4名が就寝可能な「キャンピング仕様(8ナンバー)」の他に、内部に家具のない広大な荷室空間を持つ「カーゴ仕様(4ナンバー)」も選択可能です。後者は、趣味の道具を積むトランスポーターや、移動販売のベース車両など、アイデア次第で無限の可能性が広がります。

テントむしスタイル コロ(CORO)の牽引イメージ動画

テントむし コロの牽引イメージ動画

牽引免許は不要

「コロ」の車両総重量は750kg以下に設計されているため、特別な「牽引免許」は不要で、普通自動車免許で運転することができます。

この手軽さも、「コロ」が多くの人にとって現実的な選択肢となる大きな理由です。

テントむしの世界観は好きだけれども、ライフスタイルが一体型キャンピングカーに合わないと感じる方にとって、「コロ」はまさに理想的な選択肢と言えるでしょう。

テントむしの普段使いを最高のものにする為に:まとめ

この記事では、テントむしを普段使いする上での様々な情報をご紹介しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • テントむしは普段の足としても使える機動性が最大の魅力
  • 愛らしいデザインと自分だけの秘密基地のような空間が所有満足度を高める
  • S・F・F1タイプといった多彩な内装からライフスタイルに合わせて選べる
  • ポップアップルーフは全タイプ標準装備で開放的な空間を演出する
  • 新車価格はオプションを含めると400万円台から500万円超が目安
  • 非常に人気が高く中古車市場でも価格は高値で安定している
  • 最新の新車納期は2年~3年待ちが通常で即納車のチェックが鍵
  • 実燃費は夏場で11km/L前後、冬場は9km/L前後と車重を考えれば健闘
  • 税金などの維持費は軽自動車とほぼ同等で経済的な負担は少ない
  • 雪国での利用や冬のアウトドアを楽しむなら4WDモデルが安心
  • 車内に常設トイレはなく道の駅や携帯トイレなどを活用するのが基本
  • 高速道路や登坂路でのパワー不足は理解しておくべき点
  • 購入前にはレンタルで実際の使い勝手を試すことを強く推奨する
  • トレーラータイプの「コロ」は今の車を生かせるもう一つの選択肢
  • 走行性能の限界を許容できれば唯一無二の最高の相棒になりうる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次